Mexico: Government Decriminalizes Possession Of Five Grams Of Pot メキシコ政府が五グラムまでの大麻所持を非犯罪化する Mexico City, Mexico: Mexican President Felipe Calderon signed legislation last week decriminalizing the personal possession of small quantities of cannabis and other controlled substances. メキシコシティー、メキシコ: メキシコ大統領フェリペ・カルデロンは先週、 大麻およびその他の規制されていた薬物の少量の所持を非犯罪化する法案に署 名した。 The legislation, passed by Congress in May, eliminates criminal penalties for the personal possession of up to five grams of marijuana. The possession of small amounts of other illicit substances, including heroin and cocaine, will also no longer be prosecutable. 五月に議会を通過したその法案は、五グラムまでの大麻の個人的な所持に対し て刑事的な処罰を行わないというものである。その他の違法な薬物であるヘロ インやコカインなどについても、少量の所持であれば告訴が出来なくなる。 Under the new law, anyone caught by law enforcement with small amounts of illicit drugs will be encouraged to seek treatment. Drug treatment will be mandatory for third-time offenders. この新たな法の下では、少量の違法な薬物のために拘束されている者は誰でも 治療を受けることを奨励される。三回目の違反者に対しては、薬物依存の治療 が義務とされる。 The new legislation authorizes state and local police to enforce drug trafficking laws. Previously, only federal police (about five percent of Mexico's law enforcement personnel) had the authority to arrest individuals suspected of selling drugs. この法案では州および地方警察にもドラッグの密売に関する捜査を行う権限が 与えられる。これまではドラッグ密売の疑いで逮捕する事が出来るのは連邦警 察のみであり、これはメキシコにおける捜査員のおよそ 5 パーセントに過ぎな かった。 State lawmakers have up to a year to implement the new law. 立法府には一年以内にこの法案を施行する事が求められる。 In 2006, Mexico's Congress passed a virtually identical measure, only to have it vetoed by former President Vincente Fox. Fox's veto came after political pressure from members of the US State Department, who alleged that enacting such a law would promote "drug tourism." 2006 年にもメキシコ議会は実質的にこれと同じ基準を定める法案を通過させた が、前大統領ヴィンセント・フォックスの反対によって否決された。フォック スによる反対はアメリカ合衆国政府の圧力を受けてのものであった。そのよう な法案を成立させる事は「ドラッグ観光」を促進する事になると主張したので あった。 For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500. (より詳しい情報については NORML 事務局長アレン・セント・ピエレ (202) 483-5500 にお問い合わせ下さい。) [PHOのコメント] 大麻のみならずヘロインやコカインなどのいわゆる「ハードドラッグ」につい ても少量の所持を非犯罪化したメキシコの判断を私は大いに支持する。大麻の 所持量上限 5 グラムというのはいかにも少なく、これでは購入と喫煙には困ら なくても個人での栽培などは難しかろうと思われるが、世界的な薬物非犯罪化 の流れにおいてメキシコ政府の素早い取り組みが高く評価されるべきものであ る事には変わりがなく、また過渡期の混乱もあるのかも知れない。いきなり何 もかもを変えてしまうわけには行かないから取り敢えず上限を設けました、と でも云うような。 リバタリアンとしての私の個人的な信条では、薬物犯罪に限らず全ての「被害 者なき犯罪」がこの世から消えて無くなれば良いと強く願っているのであり、 卒直に言って、今回のメキシコ政府の決定を羨ましく思っている。薬物犯罪に 被害者は存在せず、ただ人々が何となく「薬物は危ない」「薬物が無ければ社 会が平和である」と思っていて、それも実は政府やマスメディアのような権威 がそう言っただけだったりして、そのような人々の幻想こそが薬物の使用や売 買による被害を受けるのである。人が被害を受けるのではない。他人の幻想を 侵すことに刑事罰を以って挑む社会というのは、控え目に言っても、まともな ものではない。それが倫理的に褒められた事ではないにしてもだ。